保育原理  

 末岡 尚文

2単位

 保育科


履修系統図番号 6C-1020
科目区分 専門教育科目
必修、選択の別 選択 保育士必修
授業形態 講義

到達目標 1 保育者として子どもの発達を助長していくために必要な保育の意義と目的とを理解し、みずからの保育に対する考え方を論理的・概念的に表現することができる。
2 保育に関する法令・制度を知り、これに支えられる「保育所保育指針」における保育の基本について理解し、日本の保育の現状について説明することができる。
3 日本における保育の歴史や近年の取り組みなどへ知見を広げ、保育の現状を客観的に把握し、保育の課題について説明することができる。
授業概要   よりよい保育を実現するために、そもそも保育とは何かを問う必要がある。また、保育の内実を絶えずよりよいものに更新していくためには、どうすればそれが可能かを考え続ける必要がある。そのためには、現状を眺めるだけではなく、保育の歴史や思想、制度、保育実践や方法の背景にある様々な条件等を踏まえて保育を捉えることが求められる。本授業では、保育の現在を知るとともに、どのような経緯でいまの保育が成立するに至ったか、どのような課題があるのかを学ぶ。また、各自の理解を深めるため、講義内容に基づくグループディスカッションを行う。
  なお、本授業は、状況によってオンライン教材等を用いた遠隔授業を行う。

学習内容
回数 内容 学習のポイント(事前事後の学習を含む)
1回 保育原理とはなにか 授業の目的及び概要の把握

事前学習:自身の幼児期の保育・教育経験について振り返り、400字程度でレポートをまとめておく。(120分)
事後学習:「保育」概念の変遷と自分なりの定義についてまとめる。(120分)
2回 保育の目的と意義 保育の社会的意義、子どもの「最善の利益」

事前学習:配布資料を読み、「理想の大人像」と保育の方法について400字程度でレポートをまとめる。(120分)
事後学習:保育の目的と社会的な意義に加え、自信の保育に対する期待や保育者に求める役割についてまとめる。(120分)
3回 保育に関わる法律と制度 保育に関わる法律・国際条約等

事前学習:配布資料を読み、国内の法律等の変遷とそれらの社会的背景について400字程度でレポートをまとめておく。(120分)
事後学習:保育に関する国際的な制度の変遷についてまとめる。(120分)
4回 西洋における保育の歴史と思想 近代社会の成立と「子ども」の誕生

事前学習:配布資料を読み、西洋における近代社会の特徴について400字程度でレポートをまとめておく。(120分)
事後学習:西洋における近代社会との特徴と、「子ども」概念とのつながりについてまとめる。(120分)
5回 西洋における保育の展開 西洋における保育の思想史
フレーベル、モンテッソーリほか

事前学習:配布資料を読み、西洋における保育思想の特徴について400字程度でレポートをまとめておく。(120分)
事後学習:西洋における保育思想の特徴と社会的・歴史的背景についてまとめる。(120分)
6回 日本における保育のはじまり 日本における近代化と保育のはじまり
倉橋惣三ほか

事前学習:配布資料を読み、日本における保育施設の成立の社会的背景について400字程度でレポートをまとめておく。(120分)
事後学習:日本における保育思想の特徴と社会的・歴史的背景についてまとめる。(120分)
7回 日本における保育の展開 戦後の保育の思想と社会的な位置づけ

事前学習:配布資料を読み、戦後日本における保育の展開について400字程度でレポートをまとめておく。(120分)
事後学習:戦後日本における保育の制度上の位置づけと社会的な位置付けについてまとめる。(120分)
8回 子どもの発達と「子ども理解」 保育における発達論の展開・「子ども理解」の意義

事前学習:配布資料を読み、「子ども」と「大人」の違い及び「子どもの人権」とは何かについて400字程度でレポートをまとめておく。(120分)
事後学習:「子ども」概念の変遷と社会的な背景についてまとめる。(120分)
9回 保育所保育指針を読む①
指針の役割
保育所・幼稚園・認定こども園
それぞれの「指針・要領」の意義と役割
事前学習:幼稚園教育要領解説、保育所保育指針解説、幼保連携型認定こども園教育・保育要領解説の「序章」を読んでおく。(120分)
事後学習:保育所・幼稚園・認定こども園の制度的・社会的な違いについてまとめる。(120分)
10回 保育所保育指針を読む②
保育の基本
保育所の役割
「保育の原理」と「幼稚園教育の基本」

事前学習:幼稚園教育要領解説、保育所保育指針解説、幼保連携型認定こども園教育・保育要領の「幼稚園教育の基本」「保育所保育に関する基本原則」「幼保連携型認定こども園における教育及び保育の基本及び目標」を読んでおく。(120分)
事後学習:保育所・幼稚園・認定こども園の実践上の違いについてまとめる。(120分)
11回 保育所保育指針を読む③
養護と教育
子どもの発達と保育の内容

事前学習:幼稚園教育要領解説、保育所保育指針解説、幼保連携型認定こども園教育・保育要領の「子どもの発達」に関する部分を読んでおく。(120分)
事後学習:子どもの発達と遊びとの関係性についてまとめる。(120分)
12回 保育の内容・方法①
環境構成
環境を通しての保育
環境構成と反省による連続的な再構成
グループディスカッション

事前学習:配布資料を読み、保育における「環境」の指す意味について400字程度でレポートをまとめておく。(120分)
事後学習:保育におけるより良い「環境」の構築に必要な要素についてまとめる(120分)
13回 保育の内容・方法②
保育の計画・実践・評価
PDCAサイクルと保育の質の向上
年間計画、月案、週案、日案など指導計画の基礎
グループディスカッション

事前学習:配布資料を読み、指導計画の作成の手順について400字程度でレポートをまとめておく。(120分)
事後学習:配布資料とグループディスカッションで出た意見を参考に、自分なりの指導計画を作成してみる。(120分)
14回 現代社会における保育の課題②
多様な子どもたちの理解と保育
インクルーシブ保育等の取り組み
諸外国における保育の取り組み
グループディスカッション

事前学習:配布資料を読んでおく。また、「障害児」の保育や外国籍の子ども・外国にルーツを持つ子どもの保育に関する新聞記事やニュースなどについて調べておく。(120分)
事後学習:配布資料とグループディスカッションで出た意見を参考に、多様な子どもたちの保育と関わる制度や法律などについてまとめる。(120分)
15回 定期試験 筆記試験

事前学習:授業中に提示した資料などを用いた、これまでの14回分の授業の復習(120分)
16回 総括講義 定期試験の解説と総評
授業評価実施

事後学習:定期試験問題を通した授業全体の振り返り(180分)

成績評価の方法・基準 提出物(コメントシート)50%、定期試験50%
教科書・参考書 教科書:
「幼稚園教育要領解説」
「保育所保育指針解説」
「幼保連携型認定こども園教育・保育要領」

参考書:
授業内で紹介する
履修条件 なし
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