社会福祉特論  

 田中結香

2単位

 専攻科保育専攻


履修系統図番号 5A-2005
科目区分 専門教育科目
必修、選択の別 必修
授業形態 講義

到達目標 1.子ども家庭福祉の専門職がなぜ社会福祉学の修得が必要なのかについて理解し説明できる
2.現代社会における福祉的な課題になぜソーシャルワークが必要なのかについて理解し説明できる
3.対人援助専門職に必要な技術について説明できる
授業概要   本講義は,子ども家庭福祉の専門職がなぜ社会福祉学の修得が必要なのかを理解する。また,権利擁護の視点や対人援助の基本的技術について学ぶことを目的をする。さらに,現代社会における福祉的な課題に目を向け,ソーシャルワークの役割についても理解する。
  資料を中心に進めるが,順番が前後することもある。資料に書かれている内容について,実際の現場での実践を例に説明したり,現場での写真や映像等も活用したりしながら(個人を特定できないよう加工修正),内容をわかりやすくしていく。配布資料の理論について現場の実践内容を踏まえて説明し,実践と理論の循環を意識して進めていく。また,実践に即した課題も取り入れながら進めていく。教員が説明するだけの一方通行の講義ではなく,内容に応じて演習やグループワークなどのアクティブラーニングを取り入れた方法で講義を進める。
  本講義は,地域包括支援センター・在宅介護支援センター・病院・行政の社会福祉士,精神保健福祉士,介護支援専門員としての実務経験を持つ教員が,社会福祉各分野における現状と基礎理論,福祉の実施体制等の実際について指導する。
  本講義は,状況によってオンライン教材等を用いた遠隔授業を行う。

学習内容
回数 内容 学習のポイント(事前事後の学習を含む)
1回 ガイダンス・オリエンテーション
・社会福祉特論という科目は何を学ぶのかの理解
・社会福祉特論を学ぶ意義とは何かの理解

事前学習:「社会福祉」をはじめとした、社会福祉系科目での学修の振り返り。(90分)
事後学習:「社会福祉」をはじめとした、社会福祉系科目での学修における課題の検討。(150分)
2回 社会福祉学とは何か
  1)子どもの生きづらさに寄り添う
  2)暮らしの中で出会う課題とソーシャルワーク
・人間の生きづらさに向き合う実践の学についてを理解する

事前学習:社会福祉について復習し,社会福祉とは何かについて,自身の考えまとめる(90分)
事後学習:人を支援する専門職として,なぜ社会福祉学の修得が必要なのか,自身の考えをまとめる(150分)
3回 SDGsとソーシャルワークの関係①
  1.「貧困をなくそう」にかかわる福祉課題とソーシャルワーク
  1)子どもと家庭の貧困の問題
・子どもと家庭の貧困問題とソーシャルワークの必要性について理解する

事前学習:現代社会における子どもと家庭の貧困問題について調べてまとめる(90分)
事後学習:子どもと家庭の貧困問題になぜソーシャルワークが必要なのか振り返りまとめる(150分)
4回 SDGsとソーシャルワークの関係②
  2.「質の高い教育をみんなに」にかかわる福祉課題とソーシャルワーク
  1)不登校・いじめの問題
・不登校やいじめの問題とソーシャルワークの必要性について理解する

事前学習:現代社会における不登校やいじめの問題について調べてまとめる(90分)
事後学習:不登校やいじめの問題になぜソーシャルワークが必要なのか振り返りまとめる(150分)
5回 SDGsとソーシャルワークの関係③
  2.「質の高い教育をみんなに」にかかわる福祉課題とソーシャルワーク
  2)発達保障の問題
・発達障がいとソーシャルワークの必要性について理解する

事前学習:現代社会における発達障がいの問題について調べてまとめる(90分)
事後学習:発達障がいの問題になぜソーシャルワークが必要なのか振り返りまとめる(150分)
6回 SDGsとソーシャルワークの関係④
  3.「ジェンダーを平等にしよう」にかかわる福祉課題とソーシャルワーク
  1)ジェンダーマイノリティの問題
・ジェンダーマイノリティの問題とソーシャルワークの必要性について理解する

事前学習:現代社会におけるジェンダーマイノリティの問題について調べてまとめる(90分)
事後学習:ジェンダーマイノリティの問題になぜソーシャルワークが必要なのか振り返りまとめる(150分)
7回 SDGsとソーシャルワークの関係⑤
  4.「平和と公正」にかかわる福祉課題とソーシャルワーク
  1)子ども虐待の問題
・子ども虐待の問題とソーシャルワークの必要性について理解する

事前学習:現代社会における子ども虐待問題について調べてまとめる(90分)
事後学習:子ども虐待の問題になぜソーシャルワークが必要なのか振り返りまとめる(150分)
8回 新聞記事を用いて社会福祉の視点を捉える①
  1)新聞の特徴を捉える
  2)新聞の効率的な読み方を学ぶ
・新聞の特徴を捉えて効率的な読み方を学修する。
9回 新聞記事を用いて社会福祉の視点を捉える②
  1)社会問題について、社会福祉の視点で捉える
  2)社会問題について、ソーシャルワーク技術を用いて問題解決の方法を提案する
  3)グループワーク
・新聞記事を読み、社会問題について社会福祉で学修した視点から、課題解決の方法を導き出す。

事前学習:現代社会における多様な問題について、社会福祉に関連する記事をスクラップしておく(90分)
事後学習:スクラップした記事について、社会福祉の視点でまとめておく(150分)
10回 新聞記事を用いて社会福祉の視点を捉える③
  1)社会問題について、社会福祉の視点で捉える
  2)社会問題について、ソーシャルワーク技術を用いて問題解決の方法を提案する
  3)グループワーク
・新聞記事を読み、社会問題について社会福祉で学修した視点から、課題解決の方法を導き出す。

事前学習:現代社会における多様な問題について、社会福祉に関連する記事をスクラップしておく(90分)
事後学習:スクラップした記事について、社会福祉の視点でまとめておく(150分)
11回 新聞記事を用いて社会福祉の視点を捉える③
  1)プレゼンテーション
・新聞記事を読み、社会問題について社会福祉で学修した視点から、課題解決の方法を導き出す。

事前学習:現代社会における多様な問題について、社会福祉に関連する記事をスクラップしておく(90分)
事後学習:スクラップした記事について、社会福祉の視点でまとめておく(150分)
12回 対人援助専門職に求められること
  1)対人援助専門職の使命と役割
  2)援助関係を大切にする
  3)当事者の主体的な暮らしを支える
・対人援助専門職に必要な概念ついて理解する

事前学習:専門職とは何かについて自身の考えをまとめておく(90分)
事後学習:専門職に求められる役割についてまとめる(150分)
13回 対人援助専門職が大切にする理論やモデル
  1)環境との関係からの理解
  2)強みを引き出す
  3)能力を高める方法
・対人援助専門職が大切にする理論やモデルについて理解する

事前学習:ソーシャルワークで重要な理論やモデルについて復習しておく
事後学習:子ども家庭福祉の専門職の視点からなぜ対人援助専門職が理論やモデルを意識しなければならないのかについてまとめる(150分)
14回 これからの社会福祉学はどうなるか
  1)「社会福祉学」入口問題
  2)「生きづらさ」をもとにした枠組み
  3)社会福祉学の境界線を拡大する
  4)あらゆる生きづらさに向き合う実践の学
・子ども家庭福祉の専門職の視点から,社会福祉の必要性について総合的に考える

事前学習:これまでの講義で学んだことをもとに,子ども家庭福祉の専門職として「社会福祉」を学ぶ意義について考察し,400字程度でレポートにまとまる。(120分)
事後学習:講義全体を振り返り,子ども家庭福祉の専門職としてこれまで学んできた「ソーシャルワーク」について,自身の今後の実践においてどのように活かしていけるか,400字程度でレポートにまとめる。(120分)
15回 定期試験
16回 総括講義 ・授業評価
・定期試験の解答説明と振り返り

成績評価の方法・基準 筆記試験(レポート)  50%
課題提出  25%
リアクションペーパー  25%
教科書・参考書 教科書:
「図解でわかる  ソーシャルワーク」中央法規出版株式会社発行(2,200円+税)
「基礎ゼミ  社会福祉学」世界思想社発行(1,800円)
また、随時、新聞を活用する。
履修条件 専攻科修了必修であるため、専攻科生は必ず履修すること。
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