子どもと表現   乳幼児期の表現の意味と役割について

 荻原千史・加山総子

1単位

 保育科


履修系統図番号 10C-1090
科目区分 専門教育科目
必修、選択の別 選択 教職必修(幼) 保育士必修
授業形態 演習

到達目標 将来の保育者として、子どもの表現について、以下の観点から理解することを目標とする。
・表現の源(始まり)を、子どもの成長の観点で考察し理解する。
・生活の中における表現のプロセスを、様々な表現の連続(連鎖)として考察し理解する。
・表現行為(表現活動)を、五領域における各領域との関係において考察し、表現の意味と役割を理解する。
授業概要 乳児期初期の、生理的表現から幼児期への成長のプロセスにおける表現行為の変遷を、具体的な事例を考察することで、乳幼児期の表現の持つ意味と役割を考えていきます。特に、表現を「外に現れたもの」として捉えがちな視点を「その内部において何が起きているのだろうか」という視点に変えることを行いたいと授業を展開していきます。
状況によっては、オンライン教材等を用いた遠隔授業を行います。

学習内容
回数 内容 学習のポイント(事前事後の学習を含む)
1回 子どもの発達と表現について
(担当:加山・荻原)
子どもにとっての表現の意義と発達過程について

事前学習:本講義のシラバスを確認する(10分)
事後学習:保育所保育指針の領域「表現」の部分を読む(60分)
2回 領域「表現」と他領域との相互的な関わり
(担当:加山)
保育は一つの領域に特化して行われるものではなく、子どもの生活を5領域の重層的な視点で捉えた上で成り立つことを理解する。

事前学習:これまでに学習した各領域のねらいについてまとめる(60分)
事後学習:子どもの生活の中でおこる場面を、5つの視点から考えレポートにまとめる(60分)
3回 子どもの感性と表現
(担当:荻原)
身のまわりにあるものを豊かに味わい、感性を養う経験を通して、子どもの表現の幅が広がっていくことを理解する。

事前学習:感性の意味について調べる(60分)
事後学習:子どもの感性と表現について、レポートにまとめる(60分)
4回 遊びや生活の中で育まれる感性と表現①:自然との触れ合い
(担当:荻原)
保育者を目指す者として、実際の自然やものの美しさに触れ、感性を養い、創造性を豊かにする経験を積む。

事前学習:自らが美しいと感じる自然やものを探し、気付いたことをまとめる(60分)
事後学習:美しいものとの触れ合いの中で育まれる感性について、レポートにまとめる(60分)
5回 遊びや生活の中で育まれる感性と表現②:イメージの共有  -伝える・伝わる喜び-
(担当:加山)
表出から表現への変化と展開について、そのプロセスと保育者の支援のあり方について考える。

事前学習:表現を「表」と「現」に分けて考える(60分)
事後学習:表現の成長を支える保育者の役割についてまとめる(60分)
6回 遊びや生活の中で育まれる感性と表現③:身の回りにある素材の発見
(担当:加山)
環境にあるものと出会い、身近な素材の色・形・手触りなどを味わう経験が、子どもの表現の基盤になることを理解する。

事前学習:諸感覚を使った環境との関わりについて考える(60分)
事後学習:豊かな感性と表現を育む環境構成について考えレポートにまとめる(60分)
7回 遊びや生活の中で育まれる感性と表現④:音への気づきからの展開
(担当:荻原)
遊びや生活の中で育まれる豊かな感性と表現について、子どもの音感受の視点から考察する。

事前学習:遊びや生活の中に含まれる音について考える(60分)
事後学習:身の回りの音への気づきと展開について、レポートをまとめる(60分)
8回 総括:子どもは表現行為により、何に出会い、何を学ぶのか
(担当:加山・荻原)
子どもにとっての表現の持つ意味と役割を理解し、「文化的表現活動」へ主体的に関わるための力の育ちについて総括する。

事前学習:これまでの講義の復習(60分)
事後学習:まとめのレポートを作成する(60分)

成績評価の方法・基準 事前学習の事前学習レポート(30%)、事後学習の受講レポート(30%)および総括レポート(40%)により総合的に評価する。
教科書・参考書 厚生労働省『保育所保育指針』
文部科学省『幼稚園教育要領』
厚生労働省『保育所保育指針解説書』
文部科学省『幼稚園教育要領解説』
履修条件 教職履修者、保育士資格履修者
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