生物科学   食べることを通じて生きていることを考える

 萱嶋泰成

2単位

 保育科


履修系統図番号 4NPC-0307
科目区分 一般基礎教育科目
必修、選択の別 選択
授業形態 講義

到達目標 1. 人体や食品を物質のレベルでみることが出来るようになる. 
2. 自身の食と健康について, 化学や生物学の視点からとらえて考えられるようになる.
3. 栄養素の種類や概要, 健康への関与を理解し, 自分はどのような食習慣 ・ 運動習慣を送るべきなのかを立案できるようになる.
授業概要   我々は毎日食事をする. 食事が美味しいと私たちは幸せになる. そして, 毎日の適度な運動と規則正しいバランスのとれた食生活によって, 健康が維持されるといわれている. 健康ブームといわれる現在, 食事や運動に気をつけて日々生活されている人も多い. ところで, そもそも我々ヒトは何故「食べる」のだろうか? 栄養素とはどのようなもので, 人体に何をしているのだろうか? テレビやインターネット等で効能を謳っている健康食品や機能性食品は, 生体にどのような影響を与えるのだろうか? そもそも本当に効くのだろうか? そして, 自分は日々どのような食習慣・運動習慣をすることが, 自分の理想とする人生を過ごすにあたって最善といえるのだろうか? これらの問い対し, 明確でないまでも自分なりの答えを求めるには, 少なくとも人体や食品を「物質」レベルで理解し, 人体は栄養素をどのようにして体内に取り込み, 利用して, 生きているのかを理解しておかなければならない. 忘れがちだが, 人体と食品はどちらも「生物」である. 
  本講義では, 身近な話題でもある食と健康について, 化学や生物学の視点から考えてみることを目的としている. 栄養素の種類や概要, 健康への関与を理解し, 自分はどのような食習慣・運動習慣を送るべきなのかを立案できることを目指す. 
  内容は, 栄養士・管理栄養士や看護師を目指す学生が専門必修科目として履修する「栄養生理学」や「栄養生化学」という科目を基に, 一部化学の知識も含んだ生物学となる. 予習課題も含めた講義ノートを毎回配布し, その日の講義と自宅での復習・予習課題も行って, 期日までに提出する(確認し, 次回の講義内で解説する). 課題の提出や課題に対するコメントはWebClass上で行う.
本講義は, 状況によってオンライン教材等を用いた遠隔授業を行います.

学習内容
回数 内容 学習のポイント(事前事後の学習を含む)
1回 ガイダンス
「粒」の世界
目的や授業のすすめかた, など
栄養素や人体を学ぶ上で必要な化学の知識を確認する. 栄養素に必須な21種類の元素. 栄養とは?

事前学習:「食べる」とは何か, 考えておきます. (30分)
事後学習:栄養素に必須な21種類の元素を覚えます. (60分)
2回 細胞から個体, そして社会  - 階層性 - 化学平衡と動的平衡, 役割分担と秩序の維持. 生物学的にみた「カオス」と「フラクタル」.

事前学習:「並行状態」とはどのような状態か, 調べておきます. (30分)
事後学習:生物の階層性について, 自分で説明できるようにします. (60分)
3回 動物細胞と植物細胞 共生説:細胞誕生の歴史. エネルギーはどのように使われるようになったか.

事前学習:細胞の構造と働きについて, 知識を得ておきます. 元素の種類やそれぞれの特徴について復習しておきます. (30分)
事後学習:各細胞小器官の役割, 生体の構成成分の特徴などについて再確認しておきます. (60分)
4回 宇宙船地球号 奇跡の物質としての水. ヒトは20%のたんぱく質が溶けた水溶液. 我々の動力源は太陽. 生命活動のバトン.

事前学習:人体を構成する分子について, 調べておきます. (30分)
事後学習:エネルギーの循環ついて, 理解を深めます. (60分)
5回 糖質の生物学 食欲と空腹感. 炭水化物と糖質の違い. 果実と種子, それぞれの目的. 糖代謝の概要.

事前学習:糖質の定義と特徴を調べておきます. (30分)
事後学習:糖質のそれぞれについて, 種類や特徴を復習しておきます. (60分)
6回 脂質の生物学 脂質の種類と役割. エネルギー貯蔵物質. 胆汁, 牛乳, 洗剤, 水に溶ける油: 身近な界面活性剤.

事前学習:脂質の定義と特徴を調べておきます. (30分)
事後学習:脂質のそれぞれについて, 種類や特徴を復習しておきます. (60分)
7回 たんぱく質・アミノ酸の生物学 たんぱく質を構成するアミノ酸. 生理機能を持ったアミノ酸・ペプチド. 化学反応の担い手としての酵素.

事前学習:たんぱく質を構成するアミノ酸は何か, 調べておきます. (30分)
事後学習:必須アミノ酸, ペプチド, たんぱく質の高次構造とは何か, 説明できるようにします. (60分)
8回 遺伝子発現の制御 遺伝情報 = タンパク質の情報. ゲノム, 突然変異.

事前学習: DNA, RNAとは何か?復習しておきます. (30分)  
事後学習: DNAからタンパク質合成までの流れ (セントラルドグマ) について, 再確認しておきます. (60分) 
9回 中間代謝の概要 (ディスカッション) 三大栄養素の体内変換機構. メカニズムの存在意義. 甘いもの(糖質)を食べると太る(脂肪がつく)理由. 食べないと痩せる(筋肉=タンパク質が減る)理由. 三大栄養素の体内動態を学習し, 把握出来たかを相互発表で確認.

事前学習: 糖代謝のしくみを復習しておきます. (30分)   
事後学習: 脂質やアミノ酸の代謝が糖代謝のどの工程から一緒になるか確認します. (60分)
10回 ビタミンとミネラル 微量栄養素はなぜ必要か?それぞれの体内における役割. 発見の歴史.

事前学習: それぞれの種類について, 把握しておきます. (30分)  
事後学習: ビタミンやミネラルの欠損による影響についても知っておきます. (60分)
11回 発酵と呼吸 発酵食品は生命活動の産物であること. ビールとパンが出来るまで. 醸造酒と蒸留酒.

事前学習: 身近な発酵食品を調べておきます. (30分)  
事後学習: 内呼吸の仕組みについて復習します. (60分)
12回 加工食品と腐敗 調理の生物学的な目的は「保存」. 「キレイ」の定義. 発酵と腐敗の違い.

事前学習: 自分にとっての「キレイ」とはどのような状態か, 考えておきます. (30分)  
事後学習: 発酵と腐敗の原理とその違いについておさらいします. (60分)
13回 機能性食品 機能性食品の定義と探索手法. 疫学, 臨床, 動物実験のそれぞれからわかること. 日本の長寿村. 機能性食品をめぐる「不都合な真実」.

事前学習: 身近な機能性食品とその効果について, 調べておきます (30分)  
事後学習: 自身とって理想な食品とは何か, 改めて考えてみます. (60分)
14回 生活習慣病 遺伝要因と環境要因. 糖尿病とはどのような病気か. 生物進化からみた血糖調節の仕組みと現代のくらし.

事前学習: 糖尿病とはどのような病気か, 調べておきます (30分)  
事後学習: 今後, 予防医療はどのようになるかを考えてみます. (60分)
15回 定期試験 事前学習: 試験勉強. (180分)
16回 総括講義 定期試験の解説と総評
生きている仕組みを分子レベルで理解することの意義について

成績評価の方法・基準 定期試験での結果90%, そのほか授業態度や提出物など10%で総合的に評価する.
教科書・参考書 参考書:ニューステージ新生物図表 (浜島書店 864円+税) 
(高校の生物資料集を持っている人はそれを用いてもよい. その場合, 購入の必要はありません) 
 ノート:予習復習課題の含まれた講義ノート(プリント)を毎時間配布する 
高校の化学基礎か生物基礎の教科書(持っていない場合, 新たに購入する必要はありません) 
履修条件 特になし
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