生化学実験  

 萱嶋泰成

1単位

 食物栄養科栄養士コース


履修系統図番号 6N-2015
科目区分 専門教育科目
必修、選択の別 選択 栄養士必修
授業形態 実験

到達目標 1.生化学実験に必要な基礎知識と試料, 器具, 試薬の正しい作り方・使い方, 基本操作について説明できる.  
2.動・植物組織を試料として, 生体成分の分離法と分析方法を習得し, 実行できる.
3.代表的な酵素であるアミラーゼを通して生体特有の物質である酵素の性質と機能について説明できる.
授業概要  生化学実験では, 生体の構成物質はなにか, それらは生体内でどのように変化していくのか, どのような機能をもつのか等を科学的に追及し, 生命現象を明らかにするために行う化学実験である. 本実験を通して生体物質の正しい取り扱いと追求方法を習得するとともに,「糖質代謝」, 「酵素」等の項目については生化学の講義内容への理解を一層深めることを目的としている.

学習内容
回数 内容 学習のポイント(事前事後の学習を含む)
1回 生化学実験の目的, 基本事項と実験概要の説明 
Ⅰ.生体成分に関する分析  
1) PCR法による遺伝子型の判定 ①. DNA抽出, PCR法
実験ノートの記載法, 実験器具の確認と点検, 器具の洗浄と乾燥法, 廃液処理, 有効数字, レポートの書き方など確認 . 自分の細胞からDNAを抽出し, PCR法によって特定の遺伝子を増幅させる.
 
事前学習: 実験実習に臨む心構えを持っておく. PCR法について調べておく.  
事後学習: 配付プリントで復習し, 全体の内容を把握しておく. DNAが増える原理をおさらいしておく.
2回 Ⅰ.生体成分に関する分析  
1) PCR法による遺伝子型の判定 ②. 制限酵素処理と電気泳動
増幅させたDNA断片を制限酵素で処理後, 電気泳動で分離する.
 
事前学習: 制限酵素と電気泳動の原理について調べておく.  
事後学習: 遺伝子型の判定方法について復習しておく.
3回 .生体成分に関する分析  
1) PCR法による遺伝子型の判定 ③. 遺伝子型の判定 

試薬調製・秤量操作・緩衝液
自分の遺伝子型を知る. 試薬作製を通じ, 実験を行うにあたる基本技術を習得する.
 
事前学習: 生活習慣との関連について, 考察しておく. 配付プリントを読み, 器具の使い方などを確認しておく.  
事後学習: 遺伝子が判定できることの社会的な問題点について, 考察する. 作製した試薬類の特徴や用途について, 再確認しておく.
4回 Ⅰ.生体成分に関する分析  
2) DNAの抽出(分離・抽出に関する事前講義も含む) 
魚類の精巣からDNAを抽出する. 操作を通じて生体成分の分離・抽出の原理や考え方を学ぶ.
 
事前学習: DNAの化学的性質や特徴を調べておく.  
事後学習: 論理的な構成となるようにレポートを作成する.
5回 Ⅰ.生体成分に関する分析  
3)グリコーゲン①:肝臓、筋肉からのグリコーゲンの分離
単糖であるグルコースの貯蔵型(多糖)としてのグリコーゲンの重要性と特性に関する学習. また貯蔵部位による差異を確認する.
 
事前学習: グリコーゲンとは何か?復習しておく.  
事後学習: 抽出法の原理を調べる.
6回 Ⅰ.生体成分に関する分析  
3)グリコーゲン②:酸によるグリコーゲンの分解と精製
強酸を用いたグリコーゲンの分解法を習得する.
 
事前学習: 生体内におけるグリコーゲンの分解法を知っておく.  
事後学習: 抽出行程について, なぜそのような方法を行うのか考える.
7回 Ⅰ.生体成分に関する分析  
3)グリコーゲン③:PPC(ペーパークロマトグラフィー)による分析(スポット)
クロマトグラフィーの分析を行う.
 
事前学習: クロマトグラフィーの原理を予習しておく. 
事後学習: ペーパークロマトグラフィー以外のクロマトグラフィーについても方法や仕組みを知っておく.
8回 Ⅰ.生体成分に関する分析  
3)グリコーゲン③:PPC(ペーパークロマトグラフィー)による構成糖の確認(PPCの発色,Rf値の測定)
PPCによってグリコーゲンが何に分解されたかを理解する.
  
事前学習: 糖質の種類を復習しておく.  
事後学習: 結果について, なぜそのような分解産物が生じたかを考察する.
9回 Ⅱ.酵素に関する実験 
1) 酵素チロシナーゼのはたらき(酵素に関する事前講義も含む)
ジャガイモに含まれるチロキナーゼを使い, メラニン形成の有無を調べる. 実験を通じて酵素の特性を確認する.
  
事前学習: チロキシナーゼとはどのような酵素か?特徴を予習しておく  
事後学習: 生体におけるメラニンの役割を調べる.
10回 Ⅱ.酵素に関する実験  
2) サツマイモのβ-アミラーゼ・生成物の分析 ① 
タンパク質を定量するための検量線の作成
タンパク質を対象とし, 検量線の作成方法を理解する.
  
事前学習: 測定法の原理を理解しておく.  
事後学習: ビューレツト法と3.5ジニトロサリチル酸法について, 文献を使いそれぞれのしくみを復習する.
11回 Ⅱ.酵素に関する実験  
2) サツマイモのβ-アミラーゼ・生成物の分析 ② 
還元糖を定量するための検量線の作成
還元糖を対象とし, 検量線の作成方法を理解する.
  
事前学習: 各種測定法の原理を理解しておく.  
事後学習: ビューレツト法と3.5ジニトロサリチル酸法について, 文献を使いそれぞれのしくみを復習する.
12回 Ⅱ.酵素に関する実験  
サツマイモのβ-アミラーゼ・生成物の分析 ③  
β-アミラーゼによるでんぷんの分解 (甘味の官能検査)
オーブン加熱と電子レンジ加熱のサツマイモについて, 甘さの違いを官能検査で比較する.
 
事前学習: 官能検査とはどのような検査方法か?調べておく.  
事後学習: ビデオ学習により新たに知りえた知識について確認する.
13回 Ⅱ.酵素に関する実験  
2) サツマイモのβアミラーゼ・分解物の分析 ④  
サツマイモからβアミラーゼの抽出・タンパク質の定量
βアミラーゼの量をタンパク質量として扱い, オーブン加熱と電子レンジ加熱のサツマイモについて, それぞれの粗抽出液を測定する.
 
事前学習: βアミラーゼに関する情報 (特徴や機能), ビューレツト法を復習しておく.  
事後学習: βアミラーゼの産業での利用例などについて調べる.
14回 Ⅱ.酵素に関する実験 
サツマイモのβ-アミラーゼ・分解物の分析 ⑤ 
βアミラーゼによるでんぷんの分解 (還元糖の測定)
オーブン加熱と電子レンジ加熱のサツマイモから還元糖を抽出し, 吸光度から還元糖を定量する.
  
事前学習: 還元糖の定量法を再確認しておく.  
事後学習: 官能検査の結果と比較し, 関連の有無を確認する.
15回 定期試験 
Ⅱ.酵素に関する実験まとめ
酵素に関する実験のまとめとレポートの書き方を確認する.
 
事前学習: 酵素に関する実験 (10~14回) の内容を確かめておく.  
事後学習: 授業で習ったレポート作成に関する注意点に気をつけながらレポートを作成する.
16回 総括講義 本実験授業で得た知識や技術を今後どう活かすか 
定期試験結果(レポート)の総評  
授業評価の実施

成績評価の方法・基準 レポート90%, 実験への参加態度 (主体性) 10%, を目安として総合的に評価する.
教科書・参考書 本学で作成の「生化学実験テキスト」を配布する
履修条件 生化学(講義)を履修していること.
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